Next: About this document ...
Up: ホロノミックと非ホロノミックシステム
Previous: ホロノミックと非ホロノミック
  Contents
(A.3)式を満たす
を
の関数として次のように表す.
 |
|
|
(92) |
個の
は(A.3)式を満たす
の集合であり,
の零空間の一組の基底をつくる.
の零空間は,一般化座標
において,拘束を満たして実現可能な運動の全体を表している.
さて,(A.3)式との対応を考えるために,(A.1)式のホロノミックな拘束が
を陽に含まず,
を満たすとする.このとき(A.1)式の時間に関する微分は次式のようになる.
 |
|
|
(93) |
もちろん上式は積分可能な微分方程式拘束条件である.
は
の
に関するヤコビ行列であり,フルランクを仮定していたので,(A.5)式を満たす
の集合は(A.3)式の場合と同様
の零空間である
次元空間となる.この一組の基底を
の関数として次のように表す.
 |
|
|
(94) |
次に,非ホロノミックな拘束とホロノミックな拘束の幾何学的な違いを考える.今
と
を共に一般化座標
において実現可能な速度を表す
次元超平面に含まれる互いに独立なベクトル場とし,次のような一連の運動
を考える.
 |
(95) |
この運動の結果得られる
を以下のようにして,Taylor級数展開して計算する.
 |
|
|
(96) |
 |
|
|
(97) |
 |
|
|
(98) |
 |
|
|
(99) |
(A.8)式から(A.11)式までをまとめて次式を得る.
 |
(100) |
(A.12)式は次のことを意妹している.(A.7)式のような運動の後の一般化座標は,
が十分に小さい時間である場合に
の一次項までで近似すると,時刻
での一般化座標に戻る.これはホロノミック,非ホロノミックを問わず得られる結果である.ホロノミック,非ホロノミックの違いは(A.12)式の第2項,すなわち
の2次の項によって現われることになる.式を見やすくするために(A.12)式第2項の
を除いた部分を次のような記号で表す.
![\begin{displaymath}
\left[ {p,q} \right]\mathop =\limits^\Delta {{\partial q} \over {\partial x}}p-{{\partial p} \over {\partial x}}q
\end{displaymath}](img361.gif) |
(101) |
実は,ホロノミックな拘束の場合には
は超平面に含まれるベクトルとなる.従って,この場合には,(A.7)式の運動の前後での一般化座標の差は2次近似までで表すと
での接超平面内のベクトルとなるというのが幾何学的な意妹である.このことを次に示そう.
に
を乗じて次式を得る.
![\begin{displaymath}
H\left[ {p,q} \right]={{\partial h} \over {\partial x}}{{\p...
...al h} \over {\partial x}}{{\partial p} \over {\partial x}}q
\end{displaymath}](img364.gif) |
(102) |
は接超平面に含まれるベクトルであるから,
 |
(103) |
を満たす.
上式を
で偏微分して次式を得る.
 |
(104) |
ここで
は,
の第i成分
のへシアン
 |
(105) |
である.一般に
であるから,へシアンは対称行列である.(A.16)式と同様の関係を
についても求め,これらを(A.15)式を考慮して(A.14)式に代入すれは次式のようになる.
![\begin{displaymath}
H\left[ {p,q} \right]=\left( {\matrix{{p^TH_1}\cr
\vdots \...
...q^TH_1p}\cr
\vdots \cr
{p^TH_mq-q^TH_mp}\cr
}} \right)=O
\end{displaymath}](img374.gif) |
(106) |
ここでは
が対称であることを用いた.(A.18)式より,
が接超平面に含まれることが証明された.
拘束が非ホロノミックな場合には,ヤコビアン,へシアンは存在しないため,一般に
は
における実現可能な速度を表す
次元超平面には留まらない.したがって.(A.7)式の運動の前後では2次近似での差は一般化座標のn次元空間のどの方向をもとりうる.2次近似でのホロノミックな拘束と非ホロノミックな拘束の違いは,ホロノミックな拘束には拘束超曲面が存在し.非ホロノミックな拘束にはそのような固定された拘束曲面が存在しないことに起因している.非ホロノミックな拘束では少し「まわり道」をすれば局所的には動けない(接超平面上にない)方向にも動くことができる可能性がある.うまく「まわり道」を選べば,(A.3)式のm個の拘束条件にもかかわらずn次元の一般化座標の空間全体を運動できるかも知れない.これが可能かどうかは具体的な微分方程式拘束条件を調べて判定できる.
Next: About this document ...
Up: ホロノミックと非ホロノミックシステム
Previous: ホロノミックと非ホロノミック
  Contents
Shoichiro FUJISAWA