前節では,定義3で,ブール代数(
と略)
を定義しました.ブール代数を定義する仕方には,定義3以外の方法もあります。
代表的なものとして束論とのからみで定義することができます。
(演習4)で
についての若干の命題を証明していただきました.第節回でブール代数の異なる定義を示す前に,
その準備もかねて少し演習の続きを行いましょう.その前に少し双対の原理を復習しましょう.
前節でも書きましたが,命題5から,双対の原理(duality principle)が成立します。
つまり,
について
で成立する文(式)は,そこに現れる全ての
をそれぞれ,
で置き換えて作った文(式)もまたその
で成立します。
従って,その文(式)は,もとの
で成立します。
この双対の原理をどんどん使ってみてください.いや使うべきです。
すばらしい原理なのですから.演習のときにも自由に使ってください.
双対の原理は,単に式だけでなく,当然その証明(文)にも当てはまります。
例えば,
が証明できたとしましょう.すると,それから双対の原理を用いてすぐに
がいえます。
ですが,それのみならず,
の証明が,


ですから,お互いに双対の関係になっている式(文)は,片方の式(文)が証明できれば,双対の原理により,もう片方は自動的に成立します。
さて,これ以後しばらく,ブール代数に関するいくつかの代数的概念を導入し,調べて行きましょう.
[定義7]
と
を2つのブール代数とする.
と
が次の条件(1),(2)を満足するとき,
は
の部分代数(subalgebra)であるという:
従って,もし
が
の部分代数ならば,
は
の部分宇宙です。
の全ての部分宇宙は,
のある部分代数の基礎集合(台集合)です。
ですから部分宇宙は, 単に部分代数からその基礎集合以外を無視したものと
考えられます。
いうまでもないことですが,
は
の部分宇宙です。
次の命題は
部分宇宙に関する同値な定義を与えます。
[命題8]
をブール代数とし,
とする.
そのとき,次の
は同値となる:
[証明] (演習6) [証明終わり]
次はほとんど明らかです。
[命題9]
をブール代数とする.
を
の部分宇宙を
要素とする空でない集合とすると,
は,
の部分宇宙である.
(命題9の終わり)
[証明] (演習8) [証明終わり]
ここで,命題9に出てきた集合論の記号
を説明します。
は,集合
について,
任意の
について,
と定義される集合で,
の積(積集合)といいます。
それでは演習で締めくくりましょう. この節は演習が多いですが
,じっくりと考えてみてください.
(演習6) 命題8を証明しなさい.(演習6の終わり)
(演習7)
はそれぞれ,今までの集合論の記号法では何になるでしょうか.
もし,全体集合を
として,そのなかで
を考えているものとします。
このとき.
として,
無理やり上の
についての定義を適用すると,
は何になるでしょうか.(演習7の終わり)
(演習8) 命題9を証明しなさい.(演習8の終わり)
(演習9)
の空でない部分集合
で,
であり, +,
について閉じているが,
は
の部分宇宙でないというブール代数
が存在することを証明しなさい.(演習9の終わり)